地域の特産に技術を掛け合わせるー福井で生まれた新しい酒米

Ocketでは、企業の皆様にとって産学連携のヒントとなるよう、
参加大学が公開している事例や研究情報をもとに、
大学と企業の連携事例をご紹介しています。
 
今回は、「地域資源 × 技術シーズ」をテーマに、
福井県立大学が取り組んだ酒米の新品種開発プロジェクトをご紹介します。
「酒どころ福井」の価値を高める産学連携の成果に迫ります。

🌾酒どころを支える新酒米「山田錦 FW1号」育成

■ 福井県立大学 × 若狭湾エネルギー研究センター × 久保田酒造

🍶 課題:酒米の最高峰「山田錦」が福井では栽培が難しい

日本酒造りに欠かせない酒米の最高級品種「山田錦」は
全国の酒蔵で広く使われていますが、
 ・生育が遅い
 ・低温障害を受けやすい
 ・背が高く倒れやすい
 ・籾が穂から脱落しやすい
といった性質があり、福井の気候では栽培が難しいとされてきました。
このため、地元の酒造メーカーが県産酒ブランドを確立するうえで、
地域に適した酒米の確保が大きな課題となっていました。

🔧 取り組み:産学官民の連携で“福井仕様の山田錦”を実現

この課題に対し、
福井県立大学・若狭湾エネルギー研究センター・久保田酒造の3者が連携。
イオンビーム育種技術を活用し、福井の気候に適した
酒米新品種「山田錦 FW1号」を開発しました。

この品種は、

  • 早生化(育成期間が短い)
  • 矮化(背丈が低く倒れにくい)
  • 難脱粒性(収穫時に籾が落ちにくい)

 という特性を持ち、福井の気候でも安定した栽培が可能になります。

「さかほまれ」と並んで「酒どころ福井」を支える酒米として、
今後は地酒ブランドの確立や農家での導入が期待されています。

🔗 詳細はこちら

🌱 大学との連携で、地域資源を活かした商品づくりを

このプロジェクトは、「酒どころ福井」という地域資源に、
大学・企業・研究機関の知見を掛け合わせることで、
より魅力的な地酒商品を生み出すことを目指した、
実用化・事業化が進行中の好事例です。
 
✅ たとえば、こんな構想はありませんか?

  • 地場産品を活かした新事業を構想したい
  • 新製品に使える素材・技術を探している
  • 大学と組んで、地域ブランドを再構築したい

そんなときは、ぜひOcketに自社の課題や構想を投稿してみてください。
大学の研究シーズと出会うことで、新たな気づきや事業の突破口が
生まれるかもしれません。

■ 参考リンク